1. UnderstandingTTP
  2. 治療後の生活
  3. 再発について

再発について

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の再発1)

TTPは一生付き合っていく病気となるかもしれません。TTPは治療可能な病気ですが、再びTTPを発症する可能性が生涯にわたってあります。最初のTTPが治まったあとに、再びTTPがあらわれることを「再発(さいはつ)」といいます。再発のなかでも、TTPが治まってから、30日以内に起こる再発のことを、一般的に「再燃(さいねん)」と呼びます。
TTPの症状を知っていれば再発に気づくことができるため、すぐに医師に連絡することが可能になります。TTPの再発が起きたときに一番大切なことは、ただちに治療を受けることです。


TTPの経過を理解する2)-8)

TTPがどのような経過をたどるか理解し、再発に備えて注意すべき点を学ぶことによって、最初の徴候がみられたとき速やかに行動することができます。

TTPの経過と再発

0

TTPの発症

5

難治性TTP

  • ・治療開始してすぐには改善がみられず、治療開始5日以内に血液中の血小板数が改善していない場合、一般的に難治性TTPと呼ばれます。
  • ・一般的ではありませんが、約17%の患者さんにみられます。

30 以内

再燃

  • ・治療完了後30日以内に起こる、TTPの発現のことを、一般的に再燃と呼びます。
  • ・免疫系によるADAMTS13への攻撃が続いていることが原因です。
  • ・一部のTTP治療のみ受けている場合、または治療が完了していない場合に起こる可能性があります。これ以外の理由で再燃が起こることもあります。

31 以降

再発

  • ・治療完了後31日以降に起こる、TTPの発現のことを、一般的に再発と呼びます。
  • ・TTP患者さんは生涯にわたり再発のリスクがあります。
  • ・一般的によくあり、およそ4割の患者さんに再発がみられることが報告されています。

TTPの再燃・再発を経験したら、必ず治療計画について医療チームと話し合い、最善の治療を受けているか確認しましょう。


経過観察の継続によりTTPの再発リスクを下げることができます

生涯にわたりTTPが再発しない人もいれば、何回も再発する人もいますが、なぜ再発に個人差があるのかはわかっていません1)。TTPが再発したら、できるだけ早く治療を受ける必要があります。治療開始が早いほど、深刻な問題が生じるリスクは抑えられます。

TTPの経過観察で大切な3つのこと9)10)

1

定期的に医療機関を受診し、血液検査などの経過観察を受ける。

下向き矢印
血中ADAMTS13活性の低下はTTP再発の徴候となりうるため、ADAMTS13値のモニタリングが再発予防に役立ちます。

医師は、再発を予防する治療が必要か判断する手段として、ADAMTS13値をモニタリングすることがあります。

2

TTPの症状を知り、症状があらわれたときに気づくことができる。

TTPの主な症状

3

TTPの誘因を知る。

TTP発症の誘因となりうる状況

がん、HIV、免疫疾患(全身性エリテマトーデス等)などの病気イメージアイコン

がん、HIV、免疫疾患(全身性エリテマトーデス等)などの病気

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特定の治療や薬剤の使用

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感染症

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妊娠

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TTPと付き合っていく

文献
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MAT-JP-2201210-2.0-12/2023 最終更新日:2023年12⽉20⽇