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- 治療後の生活
- TTPと付き合っていく
TTPと付き合っていく
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)からの回復
TTPから早く回復して普通の生活に戻りたいと思う人も多いでしょう。TTPの症状や重症度は個々の患者さんによって異なるため、回復のしかたにも個人差があります。自分の体調に合わせて、それぞれのペースで回復することになります。体の声に耳を傾け、ゆっくり向き合っていきましょう。
質問や不安、気になることがあったら、医療チームと相談しましょう。
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TTP回復期の神経症状1)
TTPからの回復期に神経の症状がみられることは珍しくありません。体調が良ければ、これらの症状がTTPに関係するとは気づかないかもしれません。
以下のような症状に注意し、あてはまる場合は医師に報告してください。
- 記憶障害
- 精神錯乱
- 集中力の欠如
- めまい
- 平衡感覚の欠如
- 頭痛
- ものが二重に見える(複視)
- など
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TTP患者さんの精神的・感情的な健康
TTP治療が完了する頃には、体調はかなり良くなっていると感じられるでしょう。しかし、精神的、感情的には良い状態とは思えない場合がよくあります。TTPは突然始まり、非常に恐ろしく、その後も様々な感情に襲われるかもしれません。TTPを経験すると、多くの人は再発を心配して、大きな不安とストレスを抱えてしまいます。TTPを経験した患者さんが精神的、感情的な健康状態について評価を受けることは、身体症状のモニタリングと同様に重要です。
健康的な食事、十分な睡眠と運動、家族や友人とのつながりはすべて、精神的健康の支えになります。また、医療チームに対して気兼ねなく正直に話すことも助けになるでしょう。うつや不安に苦しんでいることを知ったら、医療チームはきっとあなたに必要な助けや支援の手を差し伸べてくれるはずです。治療計画に、精神的、感情的な健康という項目を加えることを医療チームと検討してもよいかもしれません。
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TTPの将来への影響について
TTPの患者さんも、体調に注意して慎重に計画さえすれば、様々なライフイベントを乗り越えていけるでしょう。旅行にでかけることも可能ですし、家族を持つこと、仕事を続けること、妊娠・出産など、あなたらしい人生を築いていくことも可能です。医師と話すことでリスクと注意すべきことを理解し、気持ちを楽にすることができるため、最善の決断を選択しやすくなるでしょう。
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TTP患者さんが旅行するときのアドバイス
旅行を計画しているときは、以下のことを心にとめておいてください。
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・出発する前に、旅行中のTTP発症リスクについて医師と話しておきましょう
- ー ADAMTS13値を測定してリスクが低いことを確認するため、医師は血液検査を実施するかもしれません。
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・最近治療を受けたばかりの場合、感染リスクはやや高いかもしれません
- ー 旅行中に発熱やその他の感染症状があらわれたら、医師に連絡してください。
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・旅行前に予防接種が必要な場合は医療チームに相談してください
- ー 予防接種が必要な地域へ渡航したい場合には、医療チームに相談してください。通常、ADAMTS13値が正常であれば予防接種を受けることができます。
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・旅行中に体調不良を感じた場合はすぐに医師に連絡してください
- ー TTPの再発ではないことを確認する必要があります。
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・重要な情報を携帯してください
- ー 必ず医療チームの連絡先を携帯し、必要なときに連絡をとれるようにしてください。
旅先で医師の診察を受ける可能性に備えて、自身の症状や治療計画を含め、TTPを詳細に説明した文書を持参するとよいでしょう。
- ー 必ず医療チームの連絡先を携帯し、必要なときに連絡をとれるようにしてください。
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妊娠とTTP2)
妊娠はTTP発症の誘因となる可能性がありますが、医師と相談して計画的に妊娠することで再発を防止できるかもしれません。妊娠を希望している場合は、安全な決断を下すために医療チームと十分に話し合いましょう。
TTPの症状や治療経過を体験談から知る
- 文献
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- 1) Riva S et al. Haematologica. 2020; 105(7): 1957-1962.
- 2) Joly BS et al. Blood. 2017; 129(21): 2836-2846.
MAT-JP-2201210-2.0-12/2023 最終更新日:2023年12月20日